大切な問診 | 青木薬局 | 岡崎市の不妊漢方・アトピー漢方

大切な問診

昨日の夜、NHKのドキュメンタリー番組『プロフェッショナル 仕事の流儀』を観ました。

サブタイトルは「腰痛治療、いまだ進化せり」。
出演は、徳島大学病院に勤務する腰痛専門医の西良浩一医師(55)でした。


西良医師は痛みの原因を特定する力と、内視鏡手術の高いスキルを持ち、巨人で活躍した高橋由伸さんや、ハンドボール2019世界選手権日本代表の宮崎大輔さんなど、多くの有名アスリートも腰痛の苦しみから救っています。


異常に増殖した腰の骨が神経を圧迫し、痛みを引き起こす脊柱管狭窄症。その骨を削る手術の視覚的インパクトもなかなかのものでした。


しかし、おこがましいのを承知で言ってしまいますが、同じ医療人として最も見習うべきと思ったのは、西良医師が問診を大事にしていることです。


19歳のプロゴルファー志望の女の子。満足な練習が出来なくなるくらいの腰痛に襲われ、これまで三軒の病院に行ったのですが、原因が特定できません。


ある病院では、検査では陰性だったものの、良性の骨の腫瘍、類骨骨腫の可能性もあると診断されました。もしも本当に類骨骨腫ならば、手術の必要性も出てきます。


西良医師は、そう診断されるきっかけとなった、前の病院での画像を見ながらも、時間をかけて様々な質問を彼女にしていきます。


その中で、西良医師は、背骨の後ろに炎症が起きているのでは、と考えました。その推測をもとに触診し、再び画像を見て、関節の炎症とさらに目星をつけます。

そして、患部への注射で、最終的に腰痛の原因を「椎間関節炎」と結論付けたのです。


手術をせずに、コルセットとリハビリで治していくことになり、彼女は1か月半で練習を始められたのでした。


患者のため、患者やその症状に真剣に向き合う姿勢。これを学ばなければ、と心から思える番組でした。



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