「赤ちゃんがほしい」「なぜ、私は妊娠できないのだろう」と悩んでいる方が驚くほどたくさんみえます。その原因は女性の側にあるケース、男性の側にあるケース、また両方にあるケースもあります。
妊娠しやすい状態に持っていくには、女性は何よりも子宮の温度が大事です。それによって卵巣や子宮の血流が良くなり、質のよい卵子ができ、子宮内膜が柔らかくなります。食事や普段の服装など、生活の上でも気をつけたいですね。
現代医学では、体外受精・顕微授精や排卵誘発剤・ホルモン療法など、妊娠までのプロセスの一部を人工的に進行させる方法があります。
一方漢方では妊娠が成立するために、体内で働いている組織本来の機能を高め、組織の活動や休養の仕組みを助け、いろいろな機能の障害や負担になる不要な物を取り除き、狂ったリズムを正常にすることで、自然な妊娠を整えるという中国漢方の考え方を重視しています。
漢方で、西洋医学とは異なった方法で妊娠しやすい体質にしましょう。
「漢方的からだ年齢」には「気」「血」「水(腎)」の3つの働きが重要です。
- ●実年齢=漢方的からだ年齢ではありません
- 実年齢が若くても、冷えやストレスが強く、「血」や「気」のめぐりが悪くなっていると、卵巣機能をつかさどる「腎」も乱れ、生理はあるのに排卵がない「無排卵月経」というケースがあります。
そうなると、必然的に「妊娠力」は低くなってきます。
漢方で考える「からだ年齢」は、実年齢や見た目ではなく、今のその人の持つ心身の総合力、若さをみる年齢です。 - ●「気」「血」「水(腎)」の3つが、互いに支えあって妊娠力をキープします。
- 「漢方的からだ年齢」を決めるのは、「気(心)」の年齢、「血流」年齢、そして「腎(子宮力&卵巣力&妊娠力)」年齢の3つです。
気(心)の状態が悪いと、血流も悪くなる、血流が悪くなると、子宮力&妊娠力が低下するなど、この3つは相互に関係しあっています。
西洋医学の不妊治療では子宮や卵巣、そして卵子の状態などをそれぞれ別のものとして注目しがちな傾向がありますが、体と心をトータルにとらえる漢方では、この3つの力をバランスよく健康に保つこと=妊娠力アップにつながると考えています。 - ●「漢方的からだ年齢」を漢方の力で高めることができます。
- 年齢が上がるほど、妊娠力が低下していくのは自然の摂理です。また、どんな人でも「心」「血流」「子宮力&卵巣力」のどこかに弱点があるのが普通です。また、どのパワーもいまひとつ……という人も少なくありません。
とはいえ、弱点に気づいた時点で、体質に合った漢方的養生法をスタートさせれば、弱点をサポートしながら、その人が本来持っている生殖能力を最大限に引き出すことができます。
- 1、ストレス対策(心の重荷を下して、妊娠しやすくしましょう!)
- ~ストレスは生理周期を乱す原因に~
焦りや落ち込み、イライラなどのマイナスの感情は、体のエネルギーである「気」の巡りを悪くします。この状態を放っておくと、排卵がスムーズにいかなくなったり、月経周期がみだれたりなどのトラブルにつながることもあります。また、心に栄養を与える「血」が不足している場合にも、くよくよしたり、落ち込んだりしがちです。
「血」は妊娠に不可欠であるばかりでなく、妊娠したあとの体と胎児に栄養を与える大切な存在です。まずは、自分のストレスのもとを見つけ出し、生活や気の持ちようを改善しながら、「気」のめぐりや「血」の不足を正常に戻していくことが大切です。
- ストレス過多な生活を送っている
- 生理周期が不安定。早くなったり、遅くなったりする
- 生理前や生理中にひどく眠くなったり落ち込んだりする
- 基礎体温をつけると、低温期中の体温の上下がはげしい
- 子どものいない生活は考えられない
- 子どものいる友達より、自分のほうが劣っている気がする
- 不妊情報をあちこちで集めている、あるいは不妊治療をうけている
- 2、冷え対策(骨盤内の血流をよくしましょう!)
- ~冷えが原因で、排卵や着床がうまくいかないことも~
妊娠力を高めるためには、冷えは禁物です。骨盤内の子宮や卵巣が冷えると、血流が悪くなって、「血」が滞った「瘀血」という状態をまねき、排卵や着床がうまくいかなくなる可能性があります。
「瘀血」は、子宮内膜症や卵巣嚢腫、子宮筋腫など、不妊につながる病気の原因になることもあります。また、体を冷やす生活がもとで、体を温める原動力まで低下すると、子宮や卵巣の働きが鈍って、生理が遅れたり、ひどい時には無排卵や無月経になったりするおそれもあります。
まずは、普段の生活の中から冷えを撃退し、血流の良い体にしていきましょう。- 生理痛がひどく、経血の色が黒っぽい
- 基礎体温を測ると、生理が始まっても体温の下がりがわるい
- タバコを吸っている
- 一日のうちのほとんどを椅子に座って過ごす
- 冷える場所にいる時間が長い
- 冷えやすい服装で過ごすことが多い
- 冷たい飲食物をよくとる
- 3、婦人科の老化対策(加齢による子宮と卵巣の衰えを防ぎましょう)
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~実際の年齢より、子宮や卵巣が老化している人も~
妊娠力は、ホルモンバランスや老化と深くかかわりのある「腎」と深い関係があり、だれでも年齢とともに衰えていきますが、個人差があるのも事実です。また、見た目の若さと子宮や卵巣の若さは、必ずしも比例するわけではありません。若いのに生殖能力だけは老化しているというショッキングな例もあります。まずは、「腎」の老化を進める生活上の問題がないかどうかをチェックしてみましょう。
体の疲れがなかなか取れない、生理の状態が以前と変わってきたなどの兆候がある人は、実年齢にかかわらず、婦人科系の老化を予防していきましょう。- 出産年齢のリミットが気になってきた
- 生理周期が以前と変わってきた
- 慢性的な過労や寝不足が続いている
- 食生活が不規則、あるいは偏食気味
- 経血が減ってきた。または、生理周期が短くなった
- 基礎体温を測ると、低温期も高温期も乱れている 経血はさらっとして、色が薄い
- 1、生理周期と生理の日数
- ■周期(28~35日ぐらい)
■日数(3~7日ぐらい)
周期は28~35日くらいがひとつの目安ですが、以前と違う周期の乱れが3回以上続くときは、卵巣機能のトラブルが疑われます。
漢方的には、周期が21日以下の場合は、卵子の成長が充分ではなく、反対に40日以上の場合は、卵子の成長が止まったり、排卵がスムーズに行われていなかったりなど、どちらも妊娠に欠かせない卵子の成長に影響が出ていると考えます。
また、生理の持続日数は3~7日くらいが正常範囲ですが、3日以下、もしくは1週間以上続く場合、妊娠に不可欠な「血」が不足した「血虚」や、「血」のめぐりが悪い「瘀血」が関係すると考えられます。 - 2、経血量
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■初日が少なく2~3日目が多い
■就寝中は、夜用ナプキン1枚で足りる
経血量は初日と4日目以降は量が少なく、2~3日目は多いのが普通です。経血は受精卵のベッドとなる子宮内膜がはがれ落ちたもの。
経血量の多さと内膜の厚さには関係があるため、経血量が少なすぎるときは子宮内膜が薄く、着床しにくい傾向があります。
同様に、無排卵月経も内膜が厚くならないため、少ない経血がダラダラ続きます。
また、経血量が1日目、もしくは最後の日だけ極端に多いようなときは、漢方的にみると経血の排泄がスムーズに行われていない状態。「血」のめぐりがわるい「瘀血」によって内膜が硬くなり、着床しにくいことも考えられます。なお、以前と比べて、夜用ナプキンを何回も変える必要があるほど、経血量が増えたときは、子宮筋腫や子宮内膜増殖症などが考えられます。 - 3、経血の色
- ■普通の血液よりやや濃い色
経血は普通の血液よりも、やや濃い色が一般的です。色だけで生理や子宮のトラブルは判断できませんが、いつもより黒っぽくなったようなときは、冷えなどが原因で起こる、「血」のめぐりが悪い状態「瘀血」になっている可能性があります。反対に、経血の色が普通の血液よりも赤く鮮やかな時は、イライラやストレスなどによって、体に「熱」がこもった状態と考えられます。この場合は経血量が多く、周期が早まることが多いようです。 - 4、経血の状態
- ■大きな固まりや細かい粒々が無い
■粘度が高くない
正常な経血は、かすかに粘りけがあるものの、固まりは無いことがほとんどです。レバー状の大きなかたまりや、小さな粒々がしょっちゅう混じるときは、「血」のめぐりが悪い「瘀血」か「気」のめぐりが滞っている「気滞」の状態になっている可能性があります。
また、経血の粘度が高いのも、固まりになる直前の状態。体に必要なうるおいを与える「水」が足りない状態になっています。いずれの場合も、「腎」の働きが弱まり、ホルモンバランスが乱れているサインといえます。 - ■周期は安定している?
- 周期は個人差がありますが、28~35日くらいが一般的。周期がたまにずれても、7日以内なら問題は少ないでしょう。次の生理が21日以内でくるときは、卵胞の成長が充分でない可能性があり、40日以上ある場合は、排卵のトラブルが考えられます。
- ■低温と高温の差は0.3~0.5℃ある?
- 温度差が0.3℃以下の場合は、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌が少ない黄体機能不全の可能性があります。
反対に黄体ホルモン剤や排卵誘発剤を使った不妊治療を行っていて0.5℃以上の差があるときは、ホルモンのバランスが悪く、着床しにくい傾向があります。 - ■高温期は12~14日ある?
- 排卵後の高温期は12~14日持続するのが理想的。高温期の日数が12日以下の場合は、黄体機能不全の可能性も考えられます。妊娠しているときは、高温期が16日以上続きます。
- ■周期が短い時、排卵が早いとき
- 卵の成長が充分でない可能性があります。
- ■高温期が無いとき
- 排卵していない可能性があります。
- ■高温期中に体温が下がるとき、高温期が12日未満のとき
- 黄体機能不全で着床しにくい可能性があります。
- ■体温の上下の変動が激しいとき
- ストレス、睡眠不足などが考えられます。
- ■生理中に体温が上がるとき
- 子宮内膜症の可能性があります。
- ■高温期の移行に時間がかかるとき
- 排卵がスムーズに行われていない可能性があります。
- ●ホルモンバランスを整える
- 不妊に悩む女性には、女性の卵巣機能やホルモンバランスを司る「腎」の何らかの問題があるケースが多いようです。
漢方ではこの「腎」の働きを高める漢方薬を使い、乱れていた月経周期や、月経期、卵胞期、排卵期、高温期(黄体期)、それぞれの起こるホルモン分泌が順調になるように整えていきます。そうなることで、自然に妊娠しやすい体に導いていきます。 - ●卵子の質を上げる
- 女性の卵巣機能は「腎」によってコントロールされていますが、この「腎」の働きが低下しているときは、やはり妊娠しにくい状態になります。
このような場合は、漢方で「腎」の働きをサポートする「補腎」を行うことで、卵巣機能を高めることができます。その結果、「腎年齢」=卵巣年齢を実年齢よりも若く維持することが出来るので、コンディションの良い卵子が排卵されるようになります。 - ●子宮内膜の状態を整える
- 精子と卵子がタイミングよく出会って受精しても、うまく着床出来なかったり、着床しても育たなかったりすることがあります。
漢方ではこのような場合、「腎」の働きが低下した「腎虚」や、「血のめぐりが悪くなっている「瘀血」になっていると考えます。
このような状態を改善すると、子宮内に十分な血液と栄養がめぐるため、子宮内膜は適度な厚さと温かさ、柔らかさを保ち、受精卵を優しく受け止めて成長させていくことが出来ます。 - ★西洋医学の不妊治療
- ●ポリープや子宮筋腫、子宮内膜症などの子宮の病気、卵管のトラブルなど、器質性の病気に対する診断と治療が得意
●体外授精、顕微授精も可能
●排卵誘発剤などのホルモン治療や体外受精では、人によって副作用を感じることも - ★漢方の不妊治療
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●体に無理な負担をかけずに全身のバランスを改善しながら、なるべく自然な形で妊娠出来る
●西洋医学の不妊治療と併用する場合、副作用の軽減や治療効果の向上に役立つ
●子宮や卵巣、卵管などに器質的の病気がある場合、治療に時間がかかりやすい - 1、心身の疲れ対策
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仕事で多忙な毎日を送って、心身ともに疲れている男性は多いもの。疲れていることを認めたくない男性も多いようですが、大体の場合、体のエネルギーである「気」が不足し、めぐりも滞りがちで、精子も元気を無くした状態になっています。
たとえ若くても、限界を超えた労働やストレス過多な生活を続けていると、体調や仕事の効率がどんどん落ちて、さらに労働時間が長くなるという悪循環に。この状態が続くと、さまざまな病気のきっかけになったり、本当の不妊になってしまったりする可能性があります。健康のためにも、妊娠力アップのためにも、ぜひ早めの対処を!
■ストレス過多で多忙な生活を送っている
■疲れていると、よけいイライラする
■夜の帰宅はたいてい10時以降で、つねに睡眠不足
■やる気が出ず、疲れが取れにくい感じている - 2、老化対策
- 男性側の妊娠力の低下は、性欲が湧かないという形であらわれることも多いもの。とくに、白髪や歯がもろくなるなどの兆候を伴うようなら注意が必要です。
すぐに回復するようなら良いのですが、まだ若いのにゆっくり休んでも疲れが取れず、性欲も湧かないようなら、生殖能力やエイジングと深い関係のある「腎」の機能が低下している可能性があります。
「腎」の機能低下はED(勃起不全)の原因のひとつでもありますし、精子の活動力や生命力にダイレクトに影響します。充分な休息はもちろん、「腎」の機能を高める食事、場合によっては漢方薬の助けを借りるなどして、できるだけ早めに対応することが大切です。
■以前より淡泊になったと感じている
■白髪が急に増え、歯がもろくなった
■夜、トイレに起きることが多い
■家ではほとんど何も食べず、酒を飲むだけ - 3、血液ドロドロ対策
- 血行の悪さは、下半身の血行に影響を与え、精子の活動力の低下をまねきます。
検診でメタボリック症候群の可能性があると指摘された人や、すでに肩こりや頭痛、高脂血症、高血圧などの症状がある人は、特に注意が必要です。また、年齢とともにどうしても「血」のめぐりは悪くなりますので、年齢が高くなるにつれてリスクも高くなります。
なお、車を使うことが多く、ほとんど体を動かすことがない生活を何年も続けていたり、極端な粗食、あるいは味の濃い食事ばかりするような人は、たとえ今は元気でも、血液ドロドロ予備軍と考え、早めの予防対策を。
■デスクワークの時間が長い
■運動はほとんどしない
■食事は不規則で、単品が多い
■肉や脂っこいものばかり食べている
~「体のバランス」が乱れると、妊娠力に影響がでます。生理と基礎体温でチェックしましょう~
生理
『生理があるかだけでなく、どんな生理かが重要です。』
「妊娠しやすさ」を漢方的にとらえたときと、ポイントになるのが「腎」という考え方です。漢方では、女性の卵巣機能やホルモンバランスをつかさどっているしくみを「腎」と呼んでいます。
しかし、腎の働きが弱まったり、なんらかの問題が起こったりすると、卵巣機能やホルモンバランスが乱れ、体のバランスもくずれてしまいます。
体の各部分に栄養とうるおいを与える「血」や、「血」とともに体をめぐるエネルギーの一種である「気」が足りなくなったり、流れが滞ったりと、妊娠と密接な関係のあるさまざまな機能にも影響が出てしまいます。
生理が周期的にきていれば「すぐに妊娠できるはず」と考えがちですが、月経周期や経血の状態、生理トラブルを漢方的にとらえてみると、「血」や「気」のめぐりを良くしたり、もともとの「腎」の働きを高めるアプローチを行ったりする方がいいケースも少なくありません。「いつでも妊娠できる体」の準備を整えていくために、まずは、生理の状態をチェックしてみましょう。
正しい生理の4つのポイント
基礎体温
『基礎体温で体の中のバランスを知ろう』
漢方の不妊治療では、体全体のバランスを整えることを目標にしていますが、そのバランスをチェックするときに使われるのが基礎体温です。
基礎体温を漢方的に見ると、「陰と陽」のバランスがとれているかがカギになります。
漢方では、排卵を境に、排卵前の低温期(卵胞期)を「陰」、排卵後の高温期(黄体期)を「陽」ととらえます。そのため、基礎体温の変化にトラブルがあるときは、生殖機能を司る「腎」の働きが弱まり、陰と陽のバランス、すなわちホルモンバランスが乱れていると解釈します。
陰と陽のバランスは、食事や睡眠といった生活習慣や、子宮や卵巣の病気などでも乱れます。つまり、基礎体温をチェックすることで、早めに生活習慣の乱れや病気の兆候に気づくことができ、陰と陽のバランスを整えるための生活改善や病気の治療が可能になります。
結果として、妊娠力を高めて「自然に妊娠しやすい体」を手にいれることができるのです。
基礎体温表をチェックする3つのポイント
こんな基礎体温は体のバランスが乱れている!!
~「いい卵」かどうかわかります。~
漢方では、おりものの状態は排卵期(排卵を境に前3日、後2日程度)と卵胞の成長具合を知るための大きな目安になると考えられています。卵の白身のようなおりものが増え、10㎝くらい伸びるような粘りが強い状態になると、排卵が近いというサイン。
このようなおりものの量が多いなら、充分に成長した卵胞ができていると考えていいでしょう。なお、排卵が終わると、おりものの粘り気は消えるので、排卵のタイミングをつかむのにも役立ちます。
母体を妊娠しやすい環境に整え、元気な赤ちゃんを産むための「体づくり」を行う漢方の不妊治療。
体と心に負担をかけずに、その人に備わった妊娠する力を引き出すのが特徴です。
不妊の様々な原因に対して、個別にアプローチを行うのが西洋医学との違いです。
『漢方は体のバランスを整え「妊娠する力」を高めます』
西洋医学では、さまざまな検査で妊娠できない原因を探り、治療を行います。
排卵が無い、卵管が詰まっている、子宮筋腫や子宮内膜症があるなど、妊娠を妨げるはっきりとした原因がある場合は、まず、西洋医学の治療を行うのが妊娠への近道かもしれません。
しかし、不妊と訴える人の中には、いくら検査をしても具体的な原因がわからないというケースが2~3割ほど存在します。
このような「子宮や卵巣にはとくに異常が無いのに妊娠しない」、「西洋医学の治療を行っても妊娠しない」という場合に漢方による不妊治療を行うという選択もあります。
漢方では子宮や卵巣のトラブルだけに注目するのではなく、体全体の環境やホルモンバランスを整えながら、妊娠しやすい体づくりを行っていきます。
西洋医学の治療は、ときに副作用などが起こることもありますが、漢方の治療は体全体のコンディションを整えることで、結果的に「自然に妊娠する力」を最大限に引き出すことができるのです。
男性の場合、特に問題がないようにみえても、知らず知らずのうちに生殖能力が低下している場合もあります。
特に忙しい生活を送っている人や、不摂生な食生活を送っている人は要注意。不妊検査を受け、問題が無かった人でも安心は出来ません。日々の不摂生が、性欲や精子の数・運動率に影響を与え、一時的に不妊の状態になっているかもしれないからです。
男性不妊の場合、無精子症などの問題がある人以外は、生活養生や漢方薬の服用によってかなりの改善が望めます。まずは、睡眠や食事、生活スタイルをもう一度見直してみましょう。
不妊検査は女性が受けるものと思っていませんか? しかし、不妊の原因は必ずしも女性にあるというわけではありません。
それどころか、男性不妊も女性と同じくらい多いといわれています。とくに漢方的に見ると、男女半々、あるいは両方に、不妊につながる体質の問題があることが多いのです。
妊娠を望むのであれば、男女ともにしっかりと健康管理をしていくことが大切です。
精子と精液に関していえば、精子の数が少ない、奇形率が高い、運動率が低いなど、妊娠率を低下させる原因はいろいろあります。
一部の無精子症などの問題がある人以外は、生活スタイルの見直しや漢方薬の服用で早めの対策をし、本来の妊娠力を取り戻しましょう。