そんな仕事をしていきたい
録画してあった「日本のチカラ」を観ました。
タイトルは『思い出の本、なおします~ブックスドクター診冊記』。
山形県酒田市で製本会社を営むかたわら、痛んだ本の修理をしている社長さんの話です。
全国から送られてくる本を一冊ずつ、丁寧に修復していく過程が語られていました。
数件の依頼について取りあげられている中、特に印象に残るのは、自動車販売店を営む男性の依頼でした。
亡くなったお父さんが、かつてバイクメーカーのエンジニアをしていた昭和30年代当時、海外で行われたバイクレースに携わりました。その記録誌の集合写真に顔が載っているのです。
エンジニアを経て自動車販売店の経営を始めた父の跡を、今は息子の依頼者が継いでいます。
繰り返し読まれたであろう記録誌は、背が取れてしまい無くなっている状態。ブックスドクターは試行錯誤しながら、代わりとなる背作りに挑みます。
近年は売り上げが伸び悩み、店の存続に悩む依頼者。
一ヶ月ほどして送られてきた本には背が付いていて、昔のようにめくって読めるようになっていました。
目を真っ赤に潤ませながらぺーじをめくる依頼者は言います。「元気ももらえますし、勇気ももらえますし、やる気も出ますし、ねえ。(この本は)一番のエネルギーですね」。
お客様からこういってもらえる仕事をしていきたい、そう思いました。
http://www.minkyo.or.jp/01/2019/06/nipponnochikara_179.html