青木薬局は若甦温の特約店です
娘「ただいま。寒い寒い」
母「おかえり。…どこ行くの?」
娘「こたつ。外の仕事が多かったから冷えちゃって」
少し青くなった顔で、こたつに直行する娘。心配そうに見つめる母。
× × ×
母「はい」
湯気が立ったマグカップを娘の前に置く母。
娘「何、これ?」
母「あったまるから飲んでみて」
恐る恐る一口飲む娘。
娘「あちっ。…あっ!」
母「おいしいでしょ」
娘「何、これ?」
母「若甦温って言って、体を温めてくれる薬。ストレスにもいいみたいだからちょうどいいでしょ?」
娘「最近の台所の甘い香りってこれか~」
母「動けるようになったら着替えなさいよ」
娘「うん」
しばらくして顔色が良くなった娘。立ち上がり、着替えを済ませる。そして、リラックスした顔で持ち帰りの仕事を始める。
自分用の若甦温を作りながら、それを安心そうに見守る母。
(終わり)